数多くあるVPNサービスの中で、最も有名かつ信頼されている2大サービスを比較します。

 

  • NordVPN
  • ExpressVPN

 

  • NordVPNの本社はパナマ。
  • ExpressVPNの本社はイギリス領ヴァージン諸島。

 

どちらの会社も、5・9・14アイズ同盟の機密情報共有に関する多国間協定の管轄外にあり、プライバシー保護が固く約束されています。

 

さらに、利用者の閲覧履歴やIPアドレスなどの記録(ログ)を保存しないという「ノーログポリシー」を独立した第三者の検査済みであり、業界で高く評価されています。

世界中多くの国にVPNサーバーが配置されており、高速かつセキュリティの信頼も高いです。ネット規制された中国で機能する数少ないVPNサービスでもあります。

 

これらの2大サービスを、実際に使用した感想も交えて比較していきます。

価格の比較

 

【料金】

NordVPN ExpressVPN
1ヶ月 1,350円 $12.95
6ヶ月 $9.99
12ヶ月 570円 $6.67
※2
24ヶ月 390円
※1

 

  • ※ 記載した金額は、それぞれの契約期間内の月額料金を表します
  • ※ NordVPNの金額は税抜。
  • ※ ExpressVPNの金額は為替レートによって日本円での支払い額が変わります
  • ※ 頻繁に行われているキャンペーン価格を載せています
  • ※ 2022年3月時点での価格です(公式サイトより)
  • ※1 、初回のみ2年/9,360円(税抜)一括払い(実質月/390円(税抜))。その後は2年/32,880円一括払い(実質月/1,370円(税抜))
  • ※2、初回のみ15ヶ月/$99.97一括払い(実質月/$6.67)。その後は年/$99.97一括払い(実質月/$8.33)

 

 

上記の表は公式サイトが発表している金額であり、比較するには少し分かりにくいので、

「為替レート:1USD = 115円」&「消費税:10%」としてざっくり計算してみると以下のようになります。

 

  • NordVPN:月額429円(税込)   (24ヶ月契約)
  • ExpressVPN:月額843円(税込)(12ヶ月契約)

 

 

どちらを選ぶにしても長期契約がいちばんお得なので、最も長い契約で比較してみました。月額で約2倍の価格差が付きます。

料金は時期によって変わるので、公式サイトでも1度確認してみてください。

 

サイト日本公式サイト【Nord VPN】

 

サイト日本公式サイト【ExpressVPN】

サーバー数の比較

 

【サーバー数】

NordVPN ExpressVPN
60ヶ国 94ヶ国
サーバー 5,335個 3,000個
日本国内のサーバー数 91個 3個

 

 

表を見ると、以下の事実が分かります

  • サーバーを置いている国が多い・・・ExpressVPN
  • トータルのサーバー数が多い・・・・NordVPN

 

 

つまり、NordVPNの方が対応している国は少ないが、1つの国の中に多くのサーバーを置いているという事になります。

 

日本国内においても、NordVPNは91個のサーバーがあります(2022年3月現在)

 

1つの国内に多くのサーバーを置いているという事は、その国に対してアクセスが集中した場合、空いているサーバーに自動接続されるので通信スピードの遅延が起きにくくなるというメリットがあります

 

では、NordVPNのサーバーがある60ヶ国は少ないのか?という疑問が沸きます。

世界の国の数は196ヶ国と言われている中で、日本人が移住する、もしくは旅行するであろう国は60ヶ国内にほぼ入っています。

 

闇雲に対応している国が多いよりも、遅延の起こらないサーバー数の方が重要であると言えます。

通信スピード比較

 

日本人が移住、もしくは観光しそうな地域を選んで速度比較してみました。

Speedtest by Ookla を使って測定しています。

 

以下、VPNを通す前の速度です。ソフトバンク光のモデムを使用。

 

 

【VPNなし】

PING DOWNLOAD UPLOAD
VPNなし 6 (ms) 91.29 (Mbps) 49.73 (Mbps)

 

 

以下、VPNを使用した速度比較になります。

 

 

【ロサンゼルス】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 121 (ms) 76.95 (Mbps) 27.47 (Mbps)
ExpressVPN 124 (ms) 71.89 (Mbps) 37.21 (Mbps)

 

 

【パリ】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 206 (ms) 58.70 (Mbps) 8.32 (Mbps)
ExpressVPN 248 (ms) 53.02 (Mbps) 21.98 (Mbps)

 

 

【メルボルン】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 278 (ms) 55.04 (Mbps) 9.16 (Mbps)
ExpressVPN 125 (ms) 73.83 (Mbps) 30.54 (Mbps)

 

 

【タイ】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 105 (ms) 39.25 (Mbps) 3.03 (Mbps)
ExpressVPN 119 (ms) 84.92 (Mbps) 46.23 (Mbps)

 

 

【ベトナム】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 99 (ms) 77.55 (Mbps) 28.21 (Mbps)
ExpressVPN 123 (ms) 86.94 (Mbps) 62.77 (Mbps)

 

 

【香港】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 63 (ms) 81.00 (Mbps) 46.35 (Mbps)
ExpressVPN 67 (ms) 86.04 (Mbps) 65.31 (Mbps)

 

 

【台湾】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 50 (ms) 73.03 (Mbps) 22.28 (Mbps)
ExpressVPN 142 (ms) 86.58 (Mbps) 68.97 (Mbps)

 

 

【韓国】

PING DOWNLOAD UPLOAD
NordVPN 48 (ms) 82.12 (Mbps) 11.22 (Mbps)
ExpressVPN 45 (ms) 86.91 (Mbps) 23.32 (Mbps)

 

 

PING値はデバイスからサーバー宛に送った通信の応答速度であり、数値が少ないほど良いインターネット環境です。

 

DOWNLOAD値、UPLOAD値は1秒間に通信できるデータ容量を示しており、数値が大きいほど良いインターネット環境です。

 

「思ったより全体的に速度出てないな」と思われたかもしれませんが、これはVPN接続前のインターネット回線の速度にも左右されるのでVPNのパフォーマンスが悪いわけではありません。私はこの環境でNordVPNとExpressVPNの両方を使用していますが、海外のNetflixなど動画配信のコンテンツを何のストレスもなく楽しめています。

(一般的にダウンロードが「30 Mbps」あればストレスなく動画配信の視聴が可能)

 

今回の比較では、NordVPNのアップロードが遅いと言えます

ですが、通常インターネットを楽しむ場合、ダウンロードが重要であってアップロードの速度はあまり気にする必要がないのかもしれません。

ダウンロードの速度差は誤差の範囲かと思います。

 

接続する時間帯によって利用する人数も増減するので、その都度速度は変わってきます。あくまで目安として見ておいてください。

セキュリティー比較

 

NordVPN ExpressVPN
暗号化 AES-256 AES-256
プロトコル NordLynx
OpenVPN
IKEv2
L2TP/IPSec
Lightway
OpenVPN
IKEv2
L2TP/IPSec
中国でのインターネット 可能 可能
キルスイッチ あり あり
セキュリティー機能 スプリットトンネリング
難読化サーバー
DNS/ IPv6漏洩防止
Double VPN
P2P
Onion over VPN
CyberSec
スプリットトンネリング
難読化サーバー
DNS/ IPv6漏洩防止

 

【基本的なセキュリティー機能】

  • 米国標準規格として導入されている「AES-256」という暗号化方式を使用
  • NordVPNは「NordLynx」、ExpressVPNは「Lightway」という独自プロトコル
  • キルスイッチにより、不意のVPN切断でも情報が漏れない対策
  • スプリトトンネリングによりVPNを通すアプリ、通さないアプリを選択可能
  • 難読化サーバーにより、VPNを使用している事すら隠蔽(中国のネット規制対策)

NordVPNだけにあるセキュリティー機能

Double VPN

Double VPNとは、2つのVPNサーバーを経由することでセキュリティーを強化させる機能。

 

複数のサーバーを経由するので、速度が低下するというデメリットはありますが、ネット規制されている国では最大限の効果を発揮します。

政治的な発言を仕事としているジャーナリストなど、滞在する国によってはDouble VPNによる二重暗号化が必要となります。

P2P

P2Pとは、インターネット上の複数の端末で分割されたファイルを共有する仕組み。

 

インターネットサービスプロバイダ(ISP)側でP2Pを禁止しているケースがあり、もし発覚した場合は通信を遮断したり速度規制するなどの対策を取られる場合があります。

NordVPNのP2P専用サーバーを経由することで、ISPからの追跡を回避する事が可能です。

 

さらに、P2P(ピア・ツー・ピア)はインターネット上の不特定多数の端末とデータのやりとりをするという特性から、ウイルス感染のリスクが常に内在します。NordVPNのP2P専用サーバーを通す事によってセキュリティーを固める事が可能。

Onion over VPN

Onion over VPNとは、Tor(The Onion Router)を利用する為の専用VPNサーバーの事。

 

Torとは、国家の干渉を受けずにインターネット活動を行えるように、匿名化を実現したソフトウェアの事。

 

通常は公式サイトからTorブラウザをダウンロードして使う必要がありますが、NordVPNの「Onion over VPN」に1クリックするだけでTorネットワークを利用できます。

(TorブラウザとVPNを併用して使う事も可能)

 

通常は、インターネットプロバイダー(ISP)がTorを利用している事を把握していますが、NordVPNの「Onion over VPN」に接続すると、オンライン活動は全て隠蔽されます。

暗号化されたトンネルを通じて送受信するので、ブラウジングのセキュリティも確保されています。

CyberSec

CyberSecとは、ブラウザ上の広告をブロックする機能。

Webサイトのバナー広告を非表示にしたり、悪意のあるサイトを開こうとするとブロックしてくれます。

どんな機能があるのか、設定を見れば一目瞭然

どんな機能があるのか、実際にセキュリティーの設定方法を見ていった方が早いですね

以下の記事をざっと見てもらえばすぐに理解できると思います。

 

 

アプリの使い心地

 

それぞれのアプリの見た目や使い心地を比較していきます。

NordVPNのアプリ

 

【NordVPNの使い方】

  • 左側の専用サーバーもしくは国名をクリックするだけでVPN接続される
  • 右側の地図上からクリックしても同様にVPN接続されます
  • 詳細設定は、左下の歯車のマークから行う

 

使い方はシンプルかつ直感的で、何の説明書きも読まずに使い始める事が可能です。

iPhone版アプリ

 

スマホ版も基本的に使い方は同じ

  • 画面中央にある「QUICK CONNECT」をタップするとVPNに接続
  • 画面を上にスライドさせると専用サーバーや国名が表示されるので、そこからサーバーを選択する事ができる
  • 地図上をタップしても同様にサーバーに接続される
  • 右下の歯車マークから詳細設定を行う

 

スマホ版で出来る詳細設定

  • VPNプロトコルの選択
  • 自動接続(スマホ起動時に自動的にVPN接続)
  • CyberSec(広告ブロック、悪意のあるサイトをブロック)
  • ダークウェブモニター
  • Siriと連動

 

ExpressVPNのアプリ

 

【ExpressVPNの使い方】

  • アプリ中央の電源マークをクリックするだけでVPN接続
  • スマートロケーション右側の「・・・」からサーバーを選択できる
  • 左上の三本ラインから詳細設定を行う

 

NordVPNよりもさらにシンプルです。サーバーのロケーションを選ぶのもテキストベースで検索窓から探します。

iPhone版アプリ

 

スマホ版も使い方は同じ

  • 中央の電源マークをタップするとVPNに接続
  • 選択中のロケーション右側の「・・・」をタップするとサーバーを選択できる
  • 右下の「・・・オプション」をタップすると詳細設定

 

スマホ版で出来る詳細設定

  • VPNプロトコルの選択
  • Threat Manager(悪意のあるサイトをブロック)

個人的な感想

NordVPN、ExpressVPN共に、アプリを開いてすぐワンクリックで接続できるようなインターフェースになっており、ストレス無くVPNをオンにできる。

使い心地はどちらも良いです。

 

アプリのインターフェースには以下の違いがあります。

  • 地図が表示されている・・・・・NordVPN
  • シンプルなテキストベース・・・ExpressVPN

 

地図が表示されている場合、近くのサーバーが探しやすいという利点があります

 

あなたがいる場所からVPNサーバーの場所が遠くなるにつれてインターネットの速度は遅くなります。

 

例えば、あなたが海外のどこかの国に居るとします。あなたが居る国にはVPNサーバーがありません。その場合、地図を見ればその国から最も近い場所にあるサーバーが探しやすいのです。

 

機能面を見ても、PC版、iPhone版共に、NordVPNの方が設定できる機能が多く優れていると言えます。

 


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まとめ

【比較した結果】

  • 価格・・・・・・・・・NordVPNの方が安い
  • サーバー数・・・・・・NordVPNの方が多い
  • スピード・・・・・・・ExpressVPNの方が早い
  • セキュリティー・・・・NordVPNの方が優れている
  • アプリの使い心地・・・NordVPNの方が便利(個人的見解を含む)

 

 

結果的にNordVPNの圧勝となりましたが、決してExpressVPNが悪いわけではありません。

当記事は、数多くあるVPNサービスの中の最も優れた2つのサービスを比較したものなので、基本的にどちらも選んでもVPNとしての機能には満足してもらえると思います。

 

ただ、私個人の感想としては「どうせ選ぶなら月々の費用が安いNordVPNしか考えられない」と思ってしまいます。

契約手順や使い方は以下の記事を参考にしてみてください。

 

【NordVPN】

 

【ExpressVPN】