「HDCP」という言葉を聞いたことがありますか? これは、High-bandwidth Digital Content Protection(高精細度デジタルコンテンツ保護)の略語で、デジタル映像や音声が不正なコピーから保護されるように設計された規格です。
ゲーム機や動画配信サービスの映像をパソコンにキャプチャ保存したのに映像が真っ黒・・・、という場合。このHDCPが働いていると思ってください。
・HDCPを解除する事は違法なのか?
・個人利用と商業利用の違いが、合法・違法の分かれ目
個人利用と商業利用の違いを理解する必要があります。自分の楽しみのためだけにHDCPの解除を行う場合は許容範囲内でしょう。でも、それを商業的な目的で利用しようとすると著作権の問題が生じます。
つまり、お金を稼ぐために他人のコンテンツを無断で使用することは、法的には問題があるということです。
また商業的な目的でなくても、多くの人が閲覧できるようにネットにアップロードする行為も著作権侵害となります。
いずれにせよ、法的なリスクを理解し自己責任で行動することが大切です。
HDCPの解除手順
- 1.ゲームからアウトプットした影像を、HDMIスプリッター(分配器)に送る
- 2.HDMIスプリッターでHDCP解除した影像をキャプチャボードに送る
- 3.キャプチャボードからパソコンと別モニターに影像を送る
- 4.パソコンでOSB Stdudioというソフトを使って影像をキャプチャ(録画)する
このような手順となっています。
HDCPを解除するには、HDMIスプリッター(分配器)が必要
HDMIスプリッター(分配器)は、本来1つのHDMI入力を複数のHDMI出力に分割するデバイスです。
これにより、複数のディスプレイに同じ映像を表示することができます。
本来の使用目的とは別に、
HDMIスプリッターを通すことでHDCPが解除できるという特徴があります。
パソコンに映像を取り込むには、キャプチャーボードが必要
キャプチャーボードは、コンピュータに映像を取り込むためのデバイスです。
キャプチャボードを介すると、HDMIケーブルから入力した映像をUSB3.0コネクタに変換してアウトプットできます。そのままUSBケーブルからパソコンへと映像を取り込む事が可能になります。
パススルー機能がついたキャプチャーボードは、USBアウトプットとは別に、もうひとつHDMIのアウトプットが付いています。上記の図解のように、キャプチャ用パソコンとは別のモニターにも同じ映像を映す事が可能になります。
【接続イメージ】
機材選びのポイント
HDMIスプリッター
HDMIスプリッターは何でも良いというわけではありません。
物によってはHDCP解除できない物も普通にあるので、HDCP解除に実績のあるKanaanというメーカーの物をおすすめします。
KanaaN HDMIスプリッター 1入力2出力 2019 | KanaaN HDMIスプリッター 1入力2出力 2020 | 【4K@60Hz Mini安定版】KanaaN HDMIスプリッター 1入力2出力 | |
解像度&リフレッシュレート | 4K@30HZ | 4K@30HZ | 4K@60HZ |
EDID処理時間 | 約6~6.5秒 | 約3~3.5秒 | 約1.5~2秒 |
バージョン | HDCP2.0 | HDCP2.0 | HDCP2.2 |
HDR | HDR | HDR | HDR10 |
さらに、Kanaanの製品ならどれでも良いというわけではありません。
HDCPの対応バージョンが古いとHDCP解除できない場合があるので、現在の最新バージョンであるHDCP2.2に準拠した製品を買っておけば間違いありません。以下の製品をおすすめしておきます。
キャプチャーボード
キャプチャーボードは値段がピンからキリまでありますが、あまり安い物を買ってはいけません。
特に5,000円以下の物は、3ヶ月ほどの使用で故障してしまったり、熱暴走になりやすく2時間程度の使用ですぐに落ちてしまったり、いろいろと不具合が多いです。
Amazonのレビューを見ていると商品のスペックに偽りが多く、「60fpsと書かれていても実際は30fpsのキャプチャしかできない」「USB3.0と書かれているのに実際はUSB2.0である」「実際に使ってみるとFHDの解像度すらキャプチャできない」といった詐欺商品が多数あります。
特に気をつけたいのが、「レビューで星5を付けるとAmazonギフト券を進呈するカード」が同封されているために謎の高評価が付いている商品です。安いのに極端に星5だけ付いてる商品はそういう事なので絶対に買わない事。
以下の商品はゲーム配信において最も有名なキャプチャーボードです。
少々値段は高いですが、実績があるのでこれさえ買っておけば間違いないです。
本格的なゲーム配信はしないという方は、以下の商品のようにもう少しお手頃な値段のキャプチャボードでも良いです。
例えば、解像度1920 x 1080(FHD)・フレームレート30fps程度で構わない、少しぐらいの遅延なら気にしない、という方は以下の商品が値段的に適しているかと思います。
実際に私が購入して使ってみて、0.2秒程度の音声の遅延を確認しました。
14時間程度の連続稼働をしましたが熱暴走もないですし、音声の遅延さえ許容できれば動画キャプチャ機能において最低限の仕事は出来ます。
HDCPを解除できない場合の解決法
HDCPの解除ができない場合、HDCP2.2に対応していない機器を使用している可能性があります。
現在、4Kテレビや最新の映画作品は、HDCP2.2に準拠しています。
対処法としては、私が今回紹介した機器(HDCP 2.2に対応しているキャプチャーボード)に交換すること。
以上になります。
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