子供の頃、「20歳までに心霊体験をしなければ、その人は霊感がないので一生心霊体験をすることはない」という噂が流行りました。
私は幼少期に2度だけ心霊現象のようなものを経験しています。
逆に、大人になってからは全くそういう体験がありません。心が汚れてしまったからなのか分かりませんが、大人になると現実的なものしか見えなくなってしまいました。
そんな私の数少ない経験を告白します。
人形
私が5歳の幼稚園児だった頃の話です。
私の家族は父、母、兄、私(弟)の4人家族でした。私たち4人は毎晩、実家の6畳の部屋で川の字になって就寝するのですが、ある夏の日の真夜中に私はひとりだけ目を覚ましてしまいました。
私はそれまで気にして見たことがなかったのですが、
寝室にある箪笥の上には、ガラスケースに入った日本人形が置いてあります。
私は目を覚ました瞬間その人形がちょうど目に入る位置に寝ていたので、布団の中からそれまで全く興味のなかった人形を見ました。
陶器で出来たお坊さんがニコニコ笑って手の平を上にかざしている人形なのですが。
その手の平の上をスズメなのか何なのか分かりませんが、小鳥の人形が輪を描くように飛んは手の平の上に止まり、飛んでは手の平の上に止まりを繰り返していました。
陶器でできた小鳥が羽根をはばたかせてガラスケースの中を飛び回っているのです。
普通に考えたら異常な光景なのですが、
幼稚園児の私は何の驚きも疑いもなく「飛んでるなぁ」と思って見ていました。
怖いという感じではなく、ほのぼのとした光景でした。
3~4分はその光景を眺めたと思います。しばらくすると私はまた眠りに落ちていきました。
翌朝、母にその事を話すと、
母は箪笥の上から人形の入ったガラスケースを降ろして私に見せてくれました。
人形は手首が折れていて、切断された手の平には小鳥が乗っていました。
母曰く、この人形は結婚した時に人から貰った物なのですが、
何かの拍子に落下させてしまい手首が折れてしまったのだそうです。
捨てるのも気が引けるのでそのまま箪笥の上に置いていたのです。
幼稚園児の私は箪笥の上まで手が届かなかったので、その時までその人形をろくに見た事がなく、手首が折れて下に落ちていることすら知りませんでした。
人形の小鳥が飛び回っているのを見たのはその夜だけで、それ以降その人形が動くことは二度とありませんでした。
その5年ほど後、部屋の模様替えの時に、母が何の躊躇もなくその人形を捨ててしまいました。
玄関のドアノブがガチャガチャ
私が小学校3年生の頃の話です。
お盆休みに、家族全員で神戸にある祖母の家に泊まりに生きました。
祖母の家には、祖父、祖母、叔父(私の父親の弟で当時は大学生)の3人が住んでいたのですが、
その時は、全員がリビングにいてテレビを見ていたりしてくつろいでいました。
夜の20時ごろ、私はトイレに行こうとして一人でリビングを出ました。
トイレは玄関に近いところにあります。私はトイレで用を足して戻ろうとした時に、突然玄関のドアノブが凄い勢いでガチャガチャと回されました。
誰かお客さんが来たのなら、玄関のチャイムを鳴らしたり、外から声をかけたりしてもいいはずですが、
そういう行為が一切なく、しつこいくらいの長時間ドアノブがガチャガチャと回っているのです。玄関ドアの横に摺りガラスがあるのですが、ガラス越しに人の気配が全くないのです。
私は直観的に霊的なものが悪戯しているんだと感じました。恐怖を覚えましたが、いつまで回すのか見極めてやろうという思いで凝視していました。
30~40秒ほど回されたところで、恐怖に耐えられなくなりリビングに戻りました。
私は母に一部始終を伝えましたが、あまり信じてもらえませんでした。一緒に玄関まで見に行ってもドアノブは回らす静かなままです。
「誰か尋ねて来たんじゃないの」というセリフで片付けられてしまいました。
私もそれ以上言ってもどうせ信じてもらえないと思い、心の中に封印したまま現在に至ります。
最後に
この話は学校でいろんな人に話しましたが、信じてもらえない事が多いです。
特にドアノブの話は、「誰かが外側からドアノブを動かしているのではないか」と必ず言われます。
人が動かした場合、ドアノブを回した後にドアを引くか押すという行動に移りますが、私が見たものは高速でドアノブをガチャガチャと回す動きです。
しかも、人の手で回した場合10回程度で手首が疲れて途中で動きを止めてしまいます。私が見たものは機械で動かしている様に連続でドアノブが回っているのです。どう考えても不自然です。
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